換気や消臭剤、空気清浄機など使う
住まいのにおいとして、一般的に、①生ごみ臭②トイレ臭③かび臭④排水口臭⑤調理の残臭――などが不快に感じられています。また、暖房器具を使用する冬季には、ストーブなどからの「燃焼臭」も不快に感じることもあるでしょう。
住まいのにおいの原因は、主に微生物の働きと、燃焼・加熱によるものです。微生物の増殖条件は、栄養分、温度、水分(湿度)、酸素、pH(ペーハー)ですが、酸素が存在していなければ生育できない好気性微生物もいれば、酸素の有無に関わらず生育できる通性嫌気性微生物、酸素がない状態でのみ生育できる嫌気性微生物がいます。
酸素の有無により活動できる微生物の種類が変わるため、発生するにおいの質も変化します。また、温度や水分などの調整により微生物の活動を抑制することで、臭気の発生を抑えることができます。
加熱調理時には、食材や調味料、スパイスなどが100℃以上に加熱され、熱分解や酸化反応が進行し、不快なにおいが発生することがあります。いずれの発生原因であっても、まずは臭気の発生や拡大を抑える「発生源管理」が重要です。発生源管理を行ってもにおいが発生したり、広がったりした場合には、空間の空気を入れ替える換気や、においの低減除去を行うための消臭剤や脱臭剤、芳香剤、防臭剤のほか、空気清浄機などを用いて臭気対策をします。これからの回では、住まいのにおい対策について取り上げていきます。