公益社団法人・においかおり環境協会 会長の小峯です。
これまでの3年間に引き続き、令和3年度の総会まで会長を 務めさせて戴きます。
従前にも増して、協会運営に対して、会員の皆様からの ご支援・ご協力を賜れますよう、お願い致します。

古くて新しいにおいの問題は公害としての悪臭ですが、法律の整備に伴って、工場や事業所に起因する悪臭に関わる苦情件数は徐々に減少してきています。しかし、都市部においては、悪臭苦情の対象となる事業所が大規模な工場等から焼き肉店やラーメン店等の飲食店を始めとする小規模な事業所へと移行しています。一方、地方においては、畜産農場における一戸あたりの飼育頭数の増加、畜産農家の存在する地域に達する住宅のスプロール化により、畜産関係の悪臭問題は深刻化するなど、いまだ課題が残されています。また、コンポストの生産施設から発生する悪臭も苦情が長期化する傾向もみられます。 更に、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、ケアハウスやグループホームなどの施設数が大幅に増加していますが、入居者の糞尿処理に関わる施設室内の悪臭も顕在化しています。また、在宅介護による介護臭、ペット臭、カビ臭に代表される、一般家庭における嫌なにおい、食品における異臭問題(オフフレーバー)、体臭や口臭に対する過剰意識、疾病発見の可能性がある口臭など、私達の身の回りでも、数多くのにおいに関わる問題が顕在化しています。

このように、当協会で取り組むべき悪臭問題、におい問題は数多く存在していると言えますが、これらの状況に的確に対応する適切な資格がないことも事実です。ご承知の通り、臭気判定士は嗅覚測定法を行うための資格であり、パネルの選定、試料の採取、試験の実施、結果の求め方まで全てを統括する、臭気環境における測定技術に関する国家資格です。しかしながら、社会的には、臭気判定士が悪臭の原因の解明、対策の提案などを行う資格であると誤認していると思われます。そこで、令和元年度に、臭気判定士の資格を有する方を対象として、協会独自の新しい資格として、におい・かおり環境アドバイザーと言う協会資格の認定事業を創設致しました。社会的要望に添ったもので、悪臭の原因解明、問題解決のための対策提案を行うことが可能な、臭気に関する専門知識、学術的知見を有する方に与える資格です。当協会では、協会会員であるにおい・かおり環境アドバイザーの方の氏名・連絡先等を協会HPに掲載する、また、この資格を紹介する文面を地方公共団体へ送付するなどの施策により、この資格の普及拡大を図る所存です。悪臭問題、におい問題でお困りの一般の方々が、若しくは、相談を受ける地方公共団体の職員の方々が、お住まいの地域で相談出来る専門家を知る機会を作り出せると考えております。

協会が設立されて約50年経過致しましたが、協会が対処すべき問題がまだまだ残っていると言って良い状況です。これらの問題を解決し、より快適な生活を確保するためには、教育・研究機関、地方公共団体や民間企業などから、におい・かおりに関して知見のある方々にご参画戴き、におい・かおり環境に関わる課題を基本から整理した上で、正しい情報を発信する必要があります。におい・かおりに対して興味を覚える方がいらっしゃいましたら、是非、当協会の会員となっていただき、色々な事業にご参画いただければ幸いです。

公益社団法人におい・かおり環境協会は、会員諸氏や社会からのご要望にお応えし、においに関する問題の解決及びかおり環境の創造に向け、従来以上に社会から期待され信頼される事業を積極的に推進して参ります。

今後とも、におい・かおりに関する各分野の方々のご参加、ご支援・ご協力をいただけますよう、お願い致します。

公益社団法人 におい・かおり環境協会 会長 小峯 裕己