食べたくないと感じさせる異臭
食品の香りはおいしさに大きく関わっています。食品にはない変わったにおい、嫌なにおいがあると、「食べたくない、おいしくない」と感じてしまうでしょう。このような異臭をオフフレーバーと呼びます。
原因は、▽他の原料などの混入▽酸化や微生物の活動による変質▽香料の配合の不具合や加熱の過不足による、におい成分の不均衡▽食品用梱包材料やインクのにおい▽保管時のにおい移り――など、製造から流通・販売・家庭での保管までのさまざまな過程で起きるものです。
家庭でも気を付けたいのが、食品保管時のにおい移りです。学校給食の牛乳から異臭がするとの苦情があり、牛乳からかんきつ系の香り成分が検出された事例がありました。牛乳パックの両隣にかんきつ類が貯蔵されていて、香りが包材を通して牛乳に移ったことが原因でした。牛乳パックには、紙の両面がポリエチレンフィルムでコーティングされたものが用いられています。ポリエチレンは、多くの食品の冷凍保存用バッグにも使われていますが、比較的、酸素やにおいを通しやすい材質で、食品用ラップに使用されるポリ塩化ビニリデンの約100倍の透過性があります。
また、一定期間保管することが多いお米の袋には、空気を抜く小さな穴が開いていることがあります。袋のまま保管すると、においが移りやすくなります。冷蔵庫や食品棚も含め、においがこもっている空間を避け、においが強い食品と一緒にしないなど、保管には注意が必要です。