臭気対策や良好な環境づくりを提案
悪臭防止法では、人間の嗅覚を用いて、においの強さを測る嗅覚測定法が取り入れられています。6人以上の人に薄めた臭気を嗅いでもらい、においが分からなくなる希釈倍数からにおいの強さを数値化する測定法です。この方法は精度高く行うことが必要なので、悪臭防止法では、国家資格である「臭気判定士」を定めています。臭気判定士は、人間の嗅覚の特性、悪臭防止法、臭気の採取方法や嗅覚による測定方法などに関する幅広い知識を持ち、また自身が適正な嗅覚を持つことが求められます。
また、近年、においの問題は、住宅など身近な生活環境のにおいや、強い芳香が問題視されるなど多様化しています。このような問題に対し、柔軟に解決策を提案できる人材が求められるようになりました。臭気判定士の専門知識とにおい現場での経験は大変有用ですが、臭気判定士はあくまで嗅覚測定法についての資格です。
そこで、昨年、公益社団法人におい・かおり環境協会では、臭気判定士の資格を持ち、さらなる臭気対策や、よりよいにおい環境づくりの提案をできる人を「におい・かおり環境アドバイザー」として認定する新制度を創設。におい・かおり環境アドバイザーは、今後、におい・かおり環境の専門的な知識と経験を活かし、良好なにおい・かおり環境の保全と創造における活躍が期待されます。費用は掛かりますが、におい・かおりに関する問題が発生した場合、におい・かおり環境アドバイザーに相談することをお勧めします。