最近の悪臭苦情の傾向をみると、従来大部分を占めていた畜産農業や製造工場からの苦情が減少している一方で、飲食店などサービス業からのいわゆる都市・生活型と呼ばれる悪臭への苦情が急激に増加しています。悪臭苦情の対象が多様化し、幅広い業種で対応が求められているのです。 この背景には、これまで気にしていなかった、「ものを燃やすにおい」や「食べ物を調理するときに出るにおい」をくさいと感じるなど、人々のにおいに対する意識がより敏感になってきたことが考えられます。 なお、「廃棄物の処理および清掃に関する法律」により野外焼却は原則として禁止されていますので、ご留意下さい。

  • 法令・告示・通達はこちらの総合目次より「悪臭」をご参照ください。
  • 臭気指数及び臭気排出強度の算定の方法はこちらをご参照ください。

平成28年8月19日
平成29年6月30日
平成30年9月21日
令和2年1月23日

「悪臭」とは何でしょうか?

「悪臭」とは、人が感じる「いやなにおい」、「不快なにおい」の総称です。 一般的に、「いいにおい」と思われるにおいでも、強さ、頻度、時間によっては悪臭として感じられることがあります。また、においには個人差や嗜好性、慣れによる影響があります。そのため、ある人には良いにおいとして感じられても、他の人には悪臭に感じるということもあります。 よく事業者は自社からのにおいに嗅ぎ慣れてしまっているので、そのにおいで困っている人がいることに気がつきませんが、迷惑だと感じる人がいれば、そのにおいは「悪臭」なのです。

悪臭は悪臭防止法によって規制されています

悪臭防止法は、事業活動に伴って悪臭を発生している工場や事業場に対して必要な規制を行うとともに悪臭防止対策を推進させることにより、住民の生活環境を保全することを目的として昭和46年に制定された法律です。

「規制対象」

規制地域内のすべての工場・事業場が対象となります。
規制地域は都道府県知事及び市長が指定します。(平成24年4月1日に一部改訂がありました)

「規制方法」

都道府県知事及び市長が1または2どちらかの規制手法により「3つの規制基準」を設定します。敷地境界線上の規制基準(1号基準)の範囲は臭気強度2.5~3.5の間で定められています。(平成24年4月1日に一部改訂がありました)

  1. 特定悪臭物質(現在22物質指定)の濃度
  2. 臭気指数(嗅覚を用いた測定法による基準)
規制基準
規制基準

六段階臭気強度表示法とは、臭気強度0を「無臭」とし、臭気強度5を「強烈なにおい」と定義した尺度です。

調査(報告徴収・立入検査・悪臭の測定)

住民の生活環境が損なわれていると認められる場合に、市町村及び特別区の長が実施します。特定悪臭物質の濃度の測定は環境計量士に、臭気指数の測定は臭気判定士(臭気測定業務従事者)に委託することができます。

行政措置

改善勧告、改善命令はともに市町村及び特別区の長が発動。命令に違反した者は罰則が科せられます。

事故時の措置

規制地域内の事業場設置者は、悪臭を伴う事故の発生があった場合、直ちに市町村長に通報し、応急措置を講じる等の義務があります。また、市町村長は事故時の状況に応じ応急措置命令を発することができます。

国民の責務

事業者や国民には、近隣の人々の生活環境を損なわないよう、悪臭の防止に努める責務があります。