臭気判定士とは?
においの測定方法には分析機器による測定法と人の嗅覚を用いる嗅覚測定法の2通りあります。臭気判定士(臭気測定業務従事者)とは嗅覚測定法を行うための資格であり、パネルの選定、試料の採取、試験の実施、結果の求め方まで全てを統括する、臭気環境分野で初めての国家資格です。全国で12,000件(令和元年度苦情件数)以上も発生している悪臭苦情を解決するために、工場・事業所からのにおいを測定するのが主な仕事です。自治体からの委託を受けるためには必要な資格です。
嗅覚測定法とは?
悪臭苦情とは法で定められている特定悪臭物質(22種類)を規制するだけでは、苦情を解決することができない場合があります。そこでヒトがにおいを感じなくなるまで希釈した倍数(臭気濃度)でにおいの強さを判定する方法が嗅覚測定法です。分析機器で測るより、人間の嗅覚で測定する嗅覚測定法が国際的にも主流となっています。また最近では脱臭装置の効果判定や工場の環境管理などにも活用されています。
資格者の主な業種
環境保全の必要性が高まりつつある今、委託測定などの分析を行う、分析サービス業からの判定士が最も多く、最近ではISO14001の取得に取り組む企業が自主的な環境管理のために資格を取得するケースも増加しています。
資格取得条件
18歳以上(学歴、実務経験を問わず)
臭気判定士試験(筆記試験)と嗅覚検査に合格した者
取得方法
嗅覚検査の合格証と筆記試験の合格証を免状申請書に添えて申請します。
嗅覚検査とは嗅覚が正常であることを判定するので、特に鋭敏である必要はなく、筆記試験の前後どちらに受検しても構いません。(心配な方は先に受検されることをおすすめします)
試験には基礎的な知識として、嗅覚測定法はもちろんのこと、人間の嗅覚生理に関する知識、結果のまとめに必要な統計学や、悪臭防止行政における臭気対策に関する知識等幅広く要求されることとなり、基礎的なことから学びたい人は臭気判定技術講習会を受講するとよいでしょう(参考書で独学にて勉強される方と、講習会を受講し勉強される方の割合は半分づつくらいです。)